あなたは今、一日に何百回、「これも読まなければ」と思っただろうか。
タイムラインを流し、記事を保存し、動画をブックマークする。
学んでいる感覚は、確かにある。
だが、半年前の自分と、今の自分。
何かが、変わっただろうか。
私は、Webディレクター・編集者として、長い時間をかけて、この問いに向き合ってきた。
足し算をやめた日
かつての私は、誰よりも「足し算」が得意だった。
読むべき本のリスト。受けるべき講座。試すべきツール。身につけるべきスキル。
机の上には、いつも何かが積み上がっていた。
頭の中にも、いつも何かが積み上がっていた。
ところが、あることに気づいた。
積み上げるほど、動けなくなっていく。
情報が増えるほど、判断が鈍くなっていく。
選択肢が増えるほど、一歩が重くなっていく。
私に足りなかったのは、情報でも、知識でも、スキルでも、なかった。
余白だった。
その日から、足し算をやめた。
代わりに、引き算をはじめた。
引き算とは、何を捨てるかではない
誤解されがちなので、はっきり書いておく。
引き算とは、大切なものを捨てることでは、ない。
本当に大切なものを「残す」ために、それ以外を、後回しにすることだ。
机の上から不要なものを退かすと、一冊の本が、よく見える。
頭の中から余計な雑音を退かすと、本当にやるべき一つが、くっきりと浮かぶ。
他人の評価という雑音を退かすと、自分の声が、はじめて聞こえてくる。
これが、私がWebディレクター・編集者として、泥臭い現場の中で、少しずつ体に刻んできた、唯一の結論だ。
この媒体について
『引き算の設計図』は、情報・感情・時間・空間のすべてから「余計なもの」を削ぎ落とし、本当に大切なことだけに力を集めるための、思考の設計図を届けるメディアだ。
対象は、難しい人ではない。
毎日大量の情報を浴びて、脳が疲れ果てているすべての人だ。
難解な専門用語は、ここにはない。
「賢そうに見せるための言葉」も、ここにはない。
あるのは、今夜、布団に入る前に、一つだけ実行できる、小さな引き算だ。
それを積み重ねた先に、余白という名の武器が、静かに育っていく。
佐藤 健一について
- Webディレクター・編集者
- 「足し算の限界」を現場で体感し、引き算の思想にたどり着く
- 本メディア『引き算の設計図』運営
- お問い合わせ:js.c.works.contact@gmail.com
「余白こそが、次のあなたを呼び込む、唯一の空間になる。」