やらなければいけないことが、ある。
それは、わかっている。
でも、やる気が、出ない。
机の前に座っても、手が動かない。
気づけば、何時間も、別のことをして、過ぎている。
そして、夜になって、自己嫌悪に陥る。
「今日も、何もできなかった」と。
「やる気が出ないせいで、動けない」
──そう思って、このページを開いたかもしれない。
これは、あなたが、怠けているからでは、ない。
やる気というものに、頼りすぎているだけだ。
そして、やる気は、待っていても、出てこない。
ここから、私、佐藤健一が、やる気がなくても動き出すための、考え方と三つの方法を、開示する。
やる気が出ないのは、あなたが怠けているからではない
まず、知っておいてほしい、大切な事実がある。
多くの人は、やる気を「行動を始める前に、出すもの」だと、思っている。
やる気が出る。それから、動き出す。この順番だと、信じている。
だが、これは、逆だ。やる気は、動き始めた後に、後からついてくるものだ。
思い出してみてほしい。
気が進まなかった部屋の片付けも、いざ始めてみたら、止まらなくなって、気づけば一時間も没頭していた。
そんな経験が、あなたにも、あるはずだ。
最初は、やる気など、なかった。
それでも、手を動かしているうちに、やる気は、後から、勝手に湧いてきた。
これは、気のせいでは、ない。
人間の脳は、体を動かし始めると、それを追いかけるように、やる気を生み出す仕組みになっている。
つまり、やる気が出ないのは、あなたの心が弱いからでは、ない。
ただ、動き出す前に、やる気を待ってしまっているだけなのだ。
▼ 今すぐ、できる確認
□ これまでに「やり始めたら、気づけば没頭していた」経験を、一つ思い出す
□ そのとき、やる気は、始める前にあったか、始めた後に出てきたかを、確かめる
ほぼ間違いなく、やる気は、後から出てきたはずだ。
「やる気が出たら動く」という考えが、あなたを止めている
ここで、あなたが動けない、本当の理由が、見えてくる。
あなたは、こう考えている。
「やる気が出たら、動こう」と。
一見、正しそうに見える。
だが、この考えこそが、あなたを、その場に縛りつけている。
なぜなら、やる気は、動き出した後にしか、出てこないからだ。
動く前に、やる気を待っていても、それは、永遠にやってこない。
これは、たき火に、似ている。
「温かくなったら、薪をくべよう」と考えていたら、火は、永遠につかない。
冷たくても、まず薪に火をつけるから、後から、温かくなる。
やる気も、同じだ。
やる気が出るのを待つのは、火がつくのを待ちながら、薪をくべないのと、同じことだ。
やる気は、待つものではない。動き出して、後から、生み出すものだ。
▼ 今すぐ、できる問い直し
□ 今「やる気が出たら、やろう」と思って、後回しにしていることを、一つ思い浮かべる
□ それを「やる気が出るまで待つ」と、いつまで待つことになるかを、考える
待っている限り、その日は、来ないとわかる。
やる気がなくても動き出す、三つの方法
ここから、やる気がない状態から、それでも動き出すために、私が実際にやっている、三つの方法を、開示する。
気合いや根性で、やる気を出す話では、ない。
やる気がなくても、勝手に手が動き出す、仕組みの作り方だ。
一、「5分だけやる」と決める
大きな作業を前にすると、人は、その大きさに圧倒されて、動けなくなる。
だから私は、こう決める。「とりあえず、5分だけ、やる」と。
5分なら、やる気がなくても、始められる。
そして、いざ5分やってみると、たいてい、そのまま続けられる。
さきほど話した通り、動き始めれば、やる気は、後からついてくるからだ。
5分やって、どうしても乗らなければ、やめていい。
だが、ほとんどの場合、5分を過ぎても、手は止まらない。
二、最初の一手を、考えなくていいほど小さくする
動き出せない時は、最初の一手が、大きすぎることが多い。
「資料を作る」では、大きすぎて、手が止まる。
だから、「資料の表紙に、題名だけ打ち込む」まで、小さくする。
「運動する」ではなく、「靴を履いて、玄関を出る」まで、小さくする。
最初の一手は、考える必要すらないほど、小さくする。
その一手さえ済めば、次の一手は、自然と、出てくる。
三、やる前に、考えない。手を先に動かす
動けない時、人は、頭の中で「やろうか、どうしようか」と、考えすぎている。
考えれば考えるほど、動き出す前の負担が、大きくなっていく。
だから、考える前に、手を動かす。
机に向かう。道具を開く。最初の一文字を打つ。
頭で考えるより先に、体を、動かしてしまう。
考えるのを、やめる。手を、先に出す。
これが、動き出せない自分を、動かす、いちばん確実な方法だ。
▼ 今すぐ、できる実践
□ ① 先延ばしにしていることを「5分だけやる」と決める
□ ② 最初の一手を、考えなくていいほど、小さくする
□ ③ 考える前に、まず手を動かす
やる気に頼るのをやめることは、根性論ではない。仕組みで動くことだ
ここで、誤解を、解いておきたい。
やる気に頼るな、と聞くと、こう思うかもしれない。
「やる気がなくても、気合いで動け、という根性論か」と。
違う。まったく、逆だ。
この媒体で繰り返し伝えてきたことを、もう一度、書く。
引き算とは、気合いで乗り切ることでは、ない。「やる気がないと動けない」という思い込みを、引き算することだ。
意志の強い人だけが、動けるのでは、ない。
動ける人は、やる気に頼らなくても動けるように、始める負担を、小さくする仕組みを持っているだけだ。
「5分だけ」と決めるのも、最初の一手を小さくするのも、すべて、意志の力に頼らないための、仕組みだ。
やる気という、不安定なものに、自分の行動を預けるのを、やめる。
代わりに、やる気がなくても動ける仕組みに、自分の行動を、預ける。
これは、根性論の正反対だ。
頑張らなくても動けるように、頑張る前の負担を、引き算しているのだから。
▼ 今、できる問い直し
□ 「自分は意志が弱いから動けない」と思っていないかを、確かめる
□ 問題は意志ではなく「始める一手が大きすぎる」だけかもしれない、と考えてみる
結論:動き出してしまえば、やる気は後から、勝手についてくる
最後に、ひとつ、覚えておいてほしい。
やる気が出るのを待っている限り、あなたは、動けない。
だが、ほんの少しでも動き出してしまえば、やる気は、後から、勝手についてくる。
- やる気は、行動の前ではなく、後から出てくるものだ
- 「やる気が出たら動く」という考えが、あなたを止めている
- 意志ではなく、始める負担を小さくする仕組みで、動けばいい
あなたに足りないのは、やる気でも、意志の強さでも、ない。
ただ、やる気を待つのをやめて、最初の小さな一手を、出すことだけだ。
──最後に、ひとつだけ、約束してほしい。
今、やる気が出なくて先延ばしにしていることを、一つだけ、思い浮かべてほしい。
そして、やる気が出るのを待たずに、たった5分だけ、手をつけてほしい。
「やる気は待たない。まず動いて、後から出す」
そう、心の中でつぶやきながら、手を動かしてほしい。
5分だけのつもりで動き出した、その手が、やる気を待って止まっていたこれまでより、あなたを、ずっと遠くへ、連れていく。
やる気が出るのを、待ち続ける時代は、もう、終わりだ。


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