すぐ落ち込むのは、あなたの心が弱いからではない。──「立ち直れない」を引き算する3つの方法

思考の整理

ちょっとした一言。小さな失敗。
他の人なら、すぐ忘れるようなことで、深く、落ち込んでしまう。

そして、その落ち込みが、なかなか、抜けない。
一日中、いや、何日も、その出来事を引きずって、気分が、晴れない。

そんな自分を、また、責めてしまう。
「どうして、こんなことで、いつまでも落ち込んでいるんだ」と。

「すぐ落ち込んで、なかなか立ち直れない」
──そう思って、このページを開いたかもしれない。

世の中には、前向きになるための方法が、あふれている。
だが、「ポジティブに考えろ」と言われても、落ち込みは、消えなかったはずだ。

これは、あなたが、心が弱いからでは、ない。
問題は、落ち込むこと自体ではなく、その落ち込みを、長く引きずっていることだからだ。

ここから、私、佐藤健一が、落ち込まない自分になるのではなく、落ち込みを引きずる時間を引き算する方法を、開示する。


すぐ落ち込むのは、あなたの心が弱いからではない

落ち込みやすい自分を、多くの人は、こう責める。
「自分は、心が弱い。打たれ弱い、ダメな人間だ」と。

だが、まず、知っておいてほしい。
何かが起きたときに、落ち込むこと自体は、心の弱さでは、ない。

嫌なことがあれば、気分が沈む。失敗すれば、へこむ。
それは、心が、ちゃんと反応している証拠だ。誰にでも、起きる、自然なことだ。

本当の問題は、落ち込むこと、そのものでは、ない。一度落ち込んだ気分を、長く、引きずってしまうことだ。

落ち込みやすい人と、そうでない人の違いは、落ち込むかどうかでは、ない。
落ち込んだ後、そこから、どれだけ早く、抜け出せるか、その時間の長さだ。

つまり、あなたに必要なのは、落ち込まない強い心を、手に入れることでは、ない。
落ち込んだ後、それを引きずる時間のほうを、引き算することだ。

▼ 今すぐ、できる確認
□ 最近、落ち込んだ出来事を、一つ思い出す
□ 落ち込んだこと自体と、その後ずっと引きずったこと、どちらが長く自分を苦しめたかを、考える
たいていは、後から引きずった時間のほうが、ずっと長い。


あなたは、落ち込みを、頭の中で何度も再生している

では、なぜ、落ち込みが、長く続いてしまうのか。

それは、落ち込んだ出来事を、頭の中で、何度も、再生してしまうからだ。

言われた一言を、何度も、思い返す。
失敗した場面を、繰り返し、頭の中で、再生する。
そのたびに、最初に落ち込んだときと、同じ痛みを、もう一度、味わう。

出来事そのものは、一度きりで、終わっている。
だが、それを頭の中で再生するたびに、あなたは、落ち込みを、何度も、新しく作り直しているのだ。

あなたを長く落ち込ませているのは、出来事そのものではなく、それを繰り返し再生する、頭の中の反すうだ。

以前、怒りを引きずらない話を、書いた。
怒りは、握りしめている間だけ、自分を燃やし続ける、という話だ。
落ち込みも、まったく、同じ仕組みをしている。再生をやめれば、落ち込みは、薄れていく。

▼ 今すぐ、できる問い直し
□ 落ち込んでいるとき、自分が何をしているかを、観察する
□ 同じ出来事を、頭の中で、何度も再生していないかを、確かめる
再生するほど、落ち込みは、長く続く。


落ち込みを引きずる時間を引き算する、三つの方法

ここから、落ち込みを引きずる時間を引き算するために、私が実際にやっている、三つの方法を、開示する。

落ち込みを、無理に消す話では、ない。
落ち込みの再生を止めて、早く抜け出すための、具体的な方法だ。

一、「落ち込む時間」を、先に区切ってしまう

落ち込みを、無理に止めようとすると、かえって、気になる。
だから、落ち込むこと自体は、許す。ただし、その時間を、先に区切る。

「今日は、夜まで、落ち込んでいい。でも、明日になったら、切り替える」と決める。
落ち込みに、終わりの時間を、設けてあげる。
区切りがあるだけで、だらだらと、引きずり続けるのを、防げる。

二、頭の中の再生を、体を動かして、断ち切る

落ち込みを再生しているとき、人は、じっと、動かずにいることが多い。
頭の中だけが、ぐるぐると、回り続けている。

だから、その再生を、体を動かして、断ち切る。
散歩に出る。家事をする。何でもいい。とにかく、体を、動かす。
体を動かすと、頭の中の再生が、いったん、止まる。これが、落ち込みの連鎖を、断つ。

三、「この出来事は、一年後も、覚えているか」と問う

落ち込んだとき、私は、こう、問う。

「この出来事を、自分は、一年後も、覚えているだろうか?」

そう問うと、ほとんどのことは、一年後には、忘れていると、気づく。
今は、大きく見えても、時間が経てば、消えていく、小さなことだ。
その事実が見えると、引きずっている落ち込みが、ぐっと、軽くなる。

▼ 今日、できる実践
□ ① 「落ち込む時間」を「ここまで」と、先に区切る
□ ② 頭の中の再生を、体を動かして、断ち切る
□ ③ 「この出来事を、一年後も覚えているか」と、問う


落ち込みを引き算することは、無理に前向きになることではない。引きずる時間を、短くすることだ

ここで、誤解を、解いておきたい。

落ち込みを引き算する、と聞くと、こう思うかもしれない。
「落ち込みを、無理に抑え込んで、いつも前向きな、明るい人間に、なれということか」と。

違う。まったく、逆だ。

この媒体で繰り返し伝えてきたことを、もう一度、書く。
引き算とは、感情を、無理に抑え込むことでは、ない。落ち込みを引き算するとは、落ち込む気持ちそのものではなく、それを引きずって再生し続ける時間を、短くすることだ。

落ち込むこと自体は、自然な感情だ。無理に、消す必要も、抑え込む必要も、ない。
落ち込んだときは、落ち込んでいい。

引き算するのは、そこではない。
削るのは、その落ち込みを、頭の中で何度も再生して、必要以上に長く、引きずる時間のほうだ。

落ち込む気持ちは、認める。引きずる時間は、短くする。
この二つを、分ける。
無理に前向きになるのではなく、落ち込みを再生する時間を引き算するからこそ、あなたは、自然に、早く、立ち直れるようになる。

▼ 今、できる問い直し
□ 自分の落ち込みを「自然な反応」と「必要以上に引きずっている時間」に、分ける
□ 引きずっている時間のほうだけを、短くできないかを、考える


結論:落ち込みは、止められない。だが、引きずる時間は、短くできる

最後に、ひとつ、覚えておいてほしい。

落ち込むこと自体は、止められない。止める必要も、ない。
だが、その落ち込みを引きずる時間は、引き算できる。立ち直りが早い人とは、落ち込まない人ではなく、引きずる時間が短い人のことだ。

  • すぐ落ち込むのは、心の弱さではなく、引きずる時間が長いだけだ
  • 落ち込みを長引かせるのは、出来事を頭の中で再生する、反すうだ
  • 引き算するのは、落ち込む気持ちではなく、それを引きずる時間だ

あなたに必要なのは、決して落ち込まない、強い心では、ない。
ただ、落ち込んだ後、それを引きずる時間を、少しずつ、短くしていくことだ。

──最後に、ひとつだけ、約束してほしい。

今度、何かで落ち込んで、それを頭の中で再生しはじめたら。
一度だけ、立ち上がって、体を、動かしてほしい。そして、こう、つぶやいてほしい。

「落ち込んでいい。ただ、これを何度も再生するのは、やめる」

そう、つぶやいて、頭の中の再生を、止めてほしい。

落ち込みの再生を止められたその一回が、些細なことで落ち込んでは長く引きずってきたあなたを、少しずつ、早い立ち直りへと、導いてくれる。

落ち込みを何度も再生して、必要以上に長く、自分を沈ませ続ける時代は、もう、終わりだ。


※ なお、気分の落ち込みが、何週間も続く、眠れない、何も手につかないなど、日常生活に大きく支障が出ている場合は、ここで書いたような考え方だけで抱え込まず、専門の窓口や医療機関に、相談してほしい。引きずる時間を短くする工夫は、あくまで、日常的で一時的な落ち込みに対するものだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました